本番はじまっちまった

9月になって撮影クルーとタレントさんは上海に到着した。クルーは厳密に言うと三人だけ。カメラマン、音声、照明。後はディレクター、プロデューサー、タレント、マネージャーと私達ローカルのコーディネータ。
タレントの三人は結構知っている。Fさんの漫才は「学校へ行こう」でわざわざチェックしたので、Sさんはアイドル時代の映像も見たことある。
タレント三人とマネージャー二人が車に乗ると、微妙にシーンとしていた。やっぱり普段は会話しないね〜と思ったとたん、しゃべり始めた時もある。車の中では、必死に皆さんの会話を聞くべき、しかもタレントさんの目線も注意すべき。いつかどの事に対する質問が飛んでくるのがわかんないから。私の上海の知識はまだまだだな〜〜とつくつく感じた。そして変な質問が来たらどうしよう?今回は「エロ本などは店で売ってますか?」と聞かれて、言葉は詰まった。売ってますって明らかに嘘で、売ってませんっと言ったら、変な方向へ話は変えちゃう。言葉の技術レベルはまだ1かな、私。
車について驚いたのは、下車の仕方。ドアに近い順番で降りるじゃないだね。なるほど。マネージャーとコーディネータが全部降りて、タレントは座ったまま待機。撮影場所の確認と交渉を全部終った後、合図してタレントが降りる。雨があってもなくても、傘の準備は必要。女性タレントはともかく、男性タレントも髪型あるでしょう?撮影の前に濡らす訳が行けないよ。
他クルーとディレクターとコーディネータは傘があっても濡らす方がいい。クルーは器材が大事で、ディレクターは撮るシーンが大事で、コーディネータは皆濡れた時一人で傘をさして立ってられるか?!
そして雨が降った時、傘の差し方も命。タレントにとってね。私一回失敗した。Sさんに向かって傘がぼっーンっと。もうちょっとなら顔に直撃かも。危ない危ない。